労力という報酬要素

  • 2007年10月18日(木)
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労力を掛けたものに対価の報酬を願う意味ではなくて。

昨夜、有明さくらさんから、「大須芹緒のテキスト状態が欲しい」と言われた。
私は「いいよーどのへんー?冒頭部分?(よもや)全文ー?」と聞いたら全文欲しいと返答がきた。
ボリュームあるなと思いながら、二つ返事で「いいよー」と回答し、すぐに「あ、ちょっとまって」と答えなおした。
全文だと、私の作品以外も入ってしまうので、私が作った本では有るけど私の一存で決めてはどうなのかな?と思い、「うちの部分だけー?ゲスト分も?」と聞くと、「ゲスト分も含めて全部」と返ってきた。

私が事情を深く聞くより先にさくらさんは話を続けた。知人に全盲の人が居る。テキスト読み上げのツールが有れば、何とか読めるので頂きたい。知人は大須芹緒の本は既に買っている。と話してくれた。

ワード状態のは有ったが、そこからテキストだけ抜き出して、すぐにさくらさんに送った。
布団に入ってから、知人の依頼だからとか全盲で気の毒だなという思いでは無くて、単純に嬉しかったんだと感じた。

何かが欲しい時に、それを手にするため、私達はいろいろ工夫したり苦労したりする。新作ゲームの限定版が欲しいから朝早くから並んだり、持ち帰って食べたいから容器代30円を余分に払ったり、その目的や物品の為に対価の労力を払う。当たり前の話だけれど。

その全盲の人が、さくらさんを通して私にテキストのデータを欲しいと依頼を掛けて読みたかった、そんな労力を掛けて読もうとしている事自体が報酬なのだ。

労力という報酬要素を受け取って、ニコニコしながら就寝した。

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