「−−?はい?」 「だから、DCといえばディ●●●●●セイダーズ?」 「−−その部分は「バインクル」です。」 「おお、そかそか。じゃ、次、舌で一撃・ブルー将軍?6文字。」 「−−タオパイパイ  何をされているのですか?」 「うむ。バラン=シュナイル・ボス・四次・5文字。全くわからん。」 「−−ゼゼーナンです。師匠!」 「ほいほい、ゼゼーナンっと。次、稲妻破り勇者が来るぜ?」 「−−バーチャルVです。師匠、教えてください。」 「ほいほい。すごいねぇ。これを解くと1000円の割引券になるだわさ。」 「−−そうだったのですか。それはクイズですか?」 「クロスワードに近いな。確かにクイズだ。」 「−−もっと聞いてください。」 「そんなに近くへ来るなよ。書きづらいだろ。」 「−−さぁ、さぁ。」 「じゃぁ、マサキとシロとクロ。●イ●ス●ー。」 「−−サバタです。」 「じゃ、さっき解けなっかった、スターシアと古代守・4文字。」 「−−サーシア。」 「木村ゆき絵の得意料理。」 「−−チキンライス。」 「団吉エバのおまけコーナー お●ら●●ん●道場?」 「−−わいまこ。」 「さくら9・おまけ・4文字」 「−−スピネル。」 「(さらさら)出来た。あとは、組み合わせて。・・・ラッコアイスーだ。うー  ん、アッコライスーかも知れない。 「−−最後の「スー」が脱力感を誘います。」 「ほかないか?」 「−−可能性は7の階乗で5040通りです。語頭に来ない文字がありますか    ら3600通り、ありそうな語彙ではコーラアイッス近隣などはいかが    でしょうか。」 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□      真大須芹緒2!    笑顔の素、ダブリちゃん □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 割引チケットはこの辺にして、本題のヒューマンボードの話に戻す。 「さて、僕がみた中では、大したものは無かった。後は、げっちの方の情報だ  が・・・。」 「−−実は、沢山データを貰いました。」 「ん?どゆこと?」 「−−先ほど、この場所で、他のHMさんに調査情報を頂きました。」 「そうか。それで、遅かったんだ。」 「−−はい。申し訳ございません。ですが、かなりの量で、検索すれば、良い    情報があるかも知れません。そのHMは私の調査した情報と交換して頂    きました。」 「みかげ以外にも、探しているHMは居るとは思ったけど、データ交換をして  集めるという方法があったか。賢いな。」 「−−はい、ずいぶんと…その、変な表現でございますが、人間らしいそぶり    をされていました。カスタム機でしたが、先日の大人しい感じとは対照    的な活発な感じのするかたでした。」 「ふーーん。そっか。実際に会ってないからどのくらい「こなれているか」わ  かんないけど、げっちが言う感じでは、メインのOSとかもカスタマイズし  てあるんだろうなぁ。」 「−−なんと!ここだけのお話ですが、局部パーツもお持ちでした。あっ!」 (ぴし) 「またそんな事聞いて!もー。エロHMが。」 「−−申し訳有りません。大変興味がありましたもので。」 「・・・まぁ、カスタムやそれに近い感じの。かなりいじってあるタイプは大  方局部パーツは付いてるわな。男として、20歳を過ぎたら、一度は見てみ  たいものの1つだ。」 「−−・・・。」 距離を詰めるみかげ。 「やめろ。変な演算すんな。離れて、ほら。こんなっあっつい日に近づいては  いかんがね。ええぃ、もー。」 「−−演算中です。ただいまの命令はディレイスタックに保存されます。」 「何いってんだぁ、あっちいけあっちいけ。」 「−−・・・…私のこと、お嫌いですか?」 「だー!もー、やめやめやめ。検索だろ検索ぅ。」 「−−あ、そうでした。お話の最中に、優先度を下げてしまいました。」 「・・・局部パーツは最優先か・・・」 みかげが得たデータを検索する。 みかげは非常に整理されているデータだと言う。 「どうだ?有ったか?」 「−−むむむ。正規販売では駄目ですね。全滅です。メルセンターとはどこで    しょうか?」 「げっちがぬいぐるみ手に入れた向かいだ。」 「−−そこに、現行品のバルクがあります。」 「5400じゃなきゃ駄目だ。手が出ない。5400で探せ。」 「−−はい。むむむ。」 「むむむっていわな探せんのか・・・」 眼鏡の真ん中に指を当て、目を閉じるみかげ。 「−−あ!有ります!1件有ります。」 「お、いくらだ?5400円検索したんじゃないだろーな。」 「−−8200円。」 「安!やすすぎる!それそれ、どこどこ。」 「−−「じゃんぱら」です。」 「ジャンクか。安いわけだ。ドライバは拾ってあるし、それで行こう!」 ショップじゃんぱら。 「ここは、新古品もあるから、まだ中古って決まったわけではない。」 「−−はい、でも、中古って値札が付いています。」 「がくっ。しかし、安定ボードは安定。腐っても鯛とはこのことだ。」 「−−師匠はよもすれば、腐ってるボードを私に付けるおつもりですね。」 「いうな。言葉のあやだ。いいものはいい。ん?これが腐っているように見え  るか?ん?ん?」 「−−本当にCDも何も付いていませんね。現品限り」 「まぁ、こんなもんだろ。夕飯代が浮いた。みかげ、買え。」 「−−御意に。」 みかげはカノープスのボードが入ったピンクのプチプチを手に取り、レジへ。 僕は8200円かっきり払って、一緒に店を出る。 「−−良い買い物が出来ました。」 「うむ。そうだな。駐車場へ戻って、ボードを早速交換してみよう。 「−−師匠・・・。」 「ん?」 「ドライバを用意していたと言うことは、はじめからジャンクを買うおつもり  だったのでしょうか?」 「な、何をたわけたことを!万が一だよ万が一。」 「−−そうですか。念のため、お聞きしてまでです。さ、駐車場へ行きましょう。」 「−あ!」 「??」 「−−あ、ひすいさん。こんにちは。先ほどはどうも…」 「−ど・う・もじゃ無いわよ!この店でボード買ったの?!」 「(こいつが話のHMか)」 「−−(はい。ひすいさんです)」 「(言語ブランクが少ないな。かなりのやり手だぞ。)」 「−−(はい、おそわれないよう気を付けます。)」 「−誰が襲うか!」 僕がつっこむはずだった。そうだったHMだった。 「−あたしの耳はスパイダーマン並よ!失礼しちゃうわねー!」 「−−申し訳有りません。ひすいさん。失言でした。」 「−わかれば宜しい。って、その話じゃなく、ヒューマンボード、買ったでし   ょ?」 「−−はい。購入いたしました。」 「−ひどい!人のデータ利用しておいて、先買いするとは!」 「おいおい、言いがかりやろ。データはそっちが先にもってたから、そっちが  買おうと思えば買えたじゃないか。」 「−吟味して迷ってたのよ!来てみれば今買った所じゃない!どういうこと?   一足遅れなら譲ってくれたって良いじゃない!」 「こういうことだ。現実を受け止めるがよい。ふふーん。」 だんだんとひすいの顔が赤くなる。 「−むきーっ!言わせておけば、のうのうと!・・・・ふぅ。落ち着いて、ひ   すい。・・・只でよこせとは言わないわ。幾ばくか高く買うつもりだわ。」 「(驚いた。クールダウン用のコプロが付いているよ。きっと。)」 「−−(私のロック処理を回避するのと、同様なオプションですか?」 「(そんなとこだ。ソフトでやっているなら、かなり手が入ったOSだ。)」 「−聞こえるって言ってるでしょ。4つも積んでるわよ!そんなの!」 「4つ積んで、それか。」 「−るさいわね。HMでも熱くなるときゃあるわよ!情報提供者に売りなさい   よ!・・・うーーん9000円!」 「ふぅ。行こうみかげ。」 「−ま、まって!9500円!」 僕は売る気は無かった。 「−じゃ、12000円。これ以上払えないわ。お願い!」 中古にそりゃ払いすぎだ。 「げっち、どうするよ。」 みかげは1歩出て、きりりと眼鏡を正す。 「−−売るつもりは有りません!」 「!みかげ・・・」 「−−これは、師匠が私の為に購入していただいたものです。お金の価値では    有りません。私の一存で決める事が可能であるのならば、未来永劫転売    いたしません。」 しん。 「−−私の言葉が理解されましたなら、おひきとりください。」 ぽろぽろぽろぽろ。 ひすいのほうだ。 「−くやしいっ!くやしくやしくやしーーーーーっ!うー。」 「−−・・・・・・・・・ただ、」 「−?」 すっ。みかげは斜め下方35度を指さす。 「−−そのパーツと交換なら、この考えを曲げる可能性は有ります。」 とっさに股間を押さえるひすい。みかげに奪われる勢いが有ったか? (びし)しまった。遅れた。みかげはせりふを吐ききっている。 「−ば、バカ言わないでよ!覚えてらっしゃい!オーナーがオーナーならみか   げもみかげだわっ!!誰が交換するかっ!」 走り去るひすい。逃げるという表現の方が合っているか。 遠くで、憎まれ口をたたく。 「−べーっだっ!やーい、つるぺたー!」 「みかげの方が、胸が有りそうなのに変な奴だ。」 「−−いえ。ひすいさんの言葉は正しいです。」 「しかし、襲われるのは奴の方だな。」 「−−ですね。貞操帯があの方には必要です。」 (ぴし) 本気か? 万松寺駐車場。屋外の方の2F。 外の日差しが熱い。 エンジンをかけ、バッテリから家電用100Vを出す機械を接続。 みかげの背中を開け、車内に背中を向けるよう座らせる。 隅っこで。念のため前はバスタオルで隠れさせるようにする。 汗が、付かないようにタオルで何度も拭う。 クーラーはなかなか効かない。 「ボードの位置を確認っっと。」 「−−どきどきします。」 「そいえば、その判断の根拠はあるの?」 「−−ファンの回転数です。」 ドライバで、シャドウのカバーを外す。その右下にヒューマンボードのスロッ トがある。 「あ、あれれ?」 「−−どうしました?まさかISAだったという落ちですか?」 「んなこと有るか!げっち、ちょっとシリアル、内部で読めるか?」 「−−お待ち下さい。むむむ。」 「むむむやめ。」 「−−内蔵番号ですか?CPS−SP−PE54−0232972、製品コー…」 「もういい。あちゃー。」 「−−なんでしょう?なんでしょう?」 バスタオルを握りしめ上下に揺れるみかげ。後ろが見られなくて、いじらしい。 「ダブりちゃんだ。」 「−−?」 「もう、付いてる。これと同じボードが。・・・ドライバは?」 「−−不明です。HM汎用HBドライバとなっています。ホームページアドレ    スだけ読みとれます。」 「カノープスっぽいアドレスか?」 「−−いえ。ゲオのオーストラリアです。」 「がくっ。・・・大体読めた。僕は、2回目の転売でお前を買ったわけでは無  いようだ。デフォルトだと思っていたお前が、泣き、笑い、困る表情をする  のは既にこのボードが付いているからだ。」 「−−私には記憶が無いので、わかりません。」 「つまり、げっちの前のオーナーの更に前のオーナーがいるってことさ。そい  つは、かなりこんな事が好きな奴だ。」 「−−はい。理解しましたが。ダブリちゃんとそれは関係あるのでしょうか?」 「あーーーーーっ。無駄買いだったよ。しまったー。もっとよく確認しておく  んだった。きっと前々オーナーは出たばかりのボードをお前に差したんだぁ。  僕よりずっと金持ってるよ!」 「−−はぁ。」 「そいつは、僕と同じ考えで、お前が今持っているフリーのスペクトラ用ドラ  イバを入れたのさ。それはオーストラリアのすげーグラマーが作った奴だ。」 「−−はぃ。」 服を着るみかげ。 僕は、ボードを差さずに袋に戻す。 「−−返品できませんか?」 「動かんならまだしも、ダブリちゃんはこっちのミスだ。買い戻しだろう。」 少し考えがあって、工具を手にする。 「−−・・・ひすいさん・・・とか。」 「あそこまで言われてお前も優しいなぁ。どの面下げていうんだ?」 「−−きっと買い叩かれますね。じゃんぱらより。」 「だな。・・・・そこでだ!」 「−−はい。」 「野良HMちゃんにプレゼントだ。…どうだ?」 「−−はい!良い考えかと思います!」 僕たちは公園に向かった。 夕日がだいぶ傾いてセミの声が何だか涼しげだ。 「−−あ!」 「お!」 「−ああっ!!!」 野良HMに会いに行くと、そこにはひすいがいた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−fin