「%%はい。こちらではフォンリァンです。」 「んんん、発音が難しいね。ホンリャン。紅蓮・・・。」 「%%はい。あっていますよ。」 「−−ふぉんりぁん。」 「%%まぁ。みかげ様お上手です。」 「何言ってんだ。耳コピしただけやろが。ホンリャン3回言ってみろ。」 「−−うぐぅ。・・・ホンリャン、ホンリョン、ほんにょん。」 「%%まぁ、ファームウェアの購入、なさって無いのですね。」 「あははは。この機能の改善の為に3万出せるか!」 「−−師匠!いじわ…ほんりゃん、ぽんじゃん、ほんりゃん、ほんりゃん、ほ    んりゃん。・・・ふう、何とか自己修正が追いつき、言えました。」 「この長さの言葉だと早いなー。くそー。」 「−−はい。かなり学習してきましたので、もう少し長い文言でも1分以内に    は復帰できる可能性が高いと推測します。」 「%%みかげ様、素晴らしいです。回避ルーチン構成を既にしているのですね。」 「−−はい。おかげさまで、せざる得ない状況にある、今日この頃で御座います。」 「%%・・・そろそろ、見えてきましたよ。ここからが台北光華街、台北のH    Mの電脳街です。」 「おお!きたよきたよ!」 「−−はい!遂に・・・来ました!」 「ふわー。何だか、居る人が大須の人種と似ているなぁ。」 「%%必然と言いますか、必要なスタイルというところかしら。ここだけでな    く、多くの文化は日本から来るの。」 「−−師匠!私と同じ、CCSリュックを持っています!」 「おお。女で良かったな。台湾も人並みか。まー、普通か。」 「%%台湾ではコスプレして歩くのが流行っています。昼を過ぎると、この辺    りでもコスプレした人を見ることが出来ますよ。」 「そりゃ、凄い。」 「−−コスプレの女性の方があちらにいます。うらやましい。」 「ありゃ、ユイか?なんだ?遠くてわからんが、近づくのもなー。」 「%%こちらで放映中のクルミだと思いますよ。」 「へー。」 「%%台湾は今、文化の混乱を招いています。多様な文化の流入、メディアの    氾濫とネットの爆発的増加。コストの低さが拍車をかけています。台湾    を代表する文化はこのままでは消えてしまう可能性が存在します。」 「まぁ、そう感じる時代だろう。先には高成長の過去と評価されるんじゃない?」 「%%さすがは師匠様、冷静で御座います。その通りです。反面、貧富の差が    激しい台湾でも、殆どの人がHMを持つことが可能です。そして、ネッ    トによる情報も廉価で莫大です。庶民の多くの子供達はHMに、ネット    に、幼い頃から慣れ親しみ、情報を得ています。」 「だから時代は変わるよ。未来も期待要素は大きいわ・・・ああん?」 「%%そうです。台湾はアジア圏の情報国としての未来があります。そして、    どの国よりも誇れる優秀なエンジニアを持てると推測できます。」 「%%ふふ。・・・。全て言わなくてもお判りなのですね。」 「おいおい、あっついから寄るな。あれ?げっちどうした?」 「%%・・・そうですか。残念です。はい、みかげ様はあちらに行かれたよう    な・・・メモリが・・・。」 「−−師匠!師匠!こちらです!」 「来たよ・・・。荷物置いてと。」 「%%???」 「−−師匠!師匠!」 「雑誌丸めてと。・・・はいよ!何かね!騒々しい。」 「−−・・・あちらに!あちらに!はぁ。はぁ。」 「%%みかげ様、応急処置なので、お走りなさらぬ方がよろしいですよ。」 「−−お心使い、ありがとう御座います。それが、大変な物を見かけてしまっ    たのです。こちらです。」 「%%そうなのですか?何でしょうか?」 「クバスさん、のせるなのせるな。」 「−−アレです!【慢行注意】このような狭い路地で慢行です!慢行!注意し    ない人が一体どれほど居るのでしょうか!慢行という言葉を堂々とつか…    えあうっ!」 (びし) 「%%はぁ・・・。それは・・・。実は・・・。」 「−−しかも看板を立てて!わざわざまんこ…うっ!」 (ぺし) 「あ、一番つっこんではいかん場所で入れてしまった。」 「%%え?何処にですか?」 「−−はい?何をですか?」 ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎  30000ヒット記念SS  台湾芹緒組!   お土産アルヨ! ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎ 日差しが強い。 人混みを3人連なって歩く。 みかげの両肩から出る熱風が丁度僕の顔に当たる。 だから、余計暑い。 「−−テラメディアがいっぱいです。」 「凄い売り方だな。八百屋や魚屋みたいだ。・・・1000枚ストンプルか?」 「%%はい。欲しいメディアを欲しいだけ買えます。奥にほら。」 「おーおー。山ほどあるがね。」 「−−MITUMIが15元です・・・むむむ!師匠が高額な理由から滅多に    買わないメディアが52.5円です。これなら購入しても宜しいのでは    ないでしょうか。」 「まぁ、な。購入しても良いが・・・本来100枚単位で買うのが良さそうだ。  でも、そうすると重くなるから今回はパスだな。」 「%%そうですね。日本より安いと言っても数百円を得するために購入する必    要はなさそうですね。」 「−−そういうものですか。」 「ははは。買ってもいいが、もっと「台湾」っていうものを買いたいなぁ。」 「−−そうですね。台湾独自の物ですね!」 「まぁ、独自でなくて良いんだけどな。あっ!それからメモリメモリ。」 「%%はい、ご案内いたします。こちらへ。」 「−−まぁ!手を引っ張るのは越権行為です!」 「%%状況判断上最適な行動計画の後、誘導を物理的に行ったのです。」 「−−・・・道理です。了承します。」 「お前ら寄るな寄るな!げっち背をこっち向けるな!」 「−−ああ、師匠!やっぱり、正常位が…やぅっ!」 (ぺし) 「暑・い・ん・だ、他のHMもいるから、ドライヤーに囲まれているみたいだ。」 「−−そんなに暑う御座いますか?」 「ああ暑い。暑い。おお、そうか、げっちは元気になったな。空冷強化して涼  しくなった甲斐があったな。」 「−−はい、おかげさまで。」 「ははは。良かったな。クバスさん、こいつのメモリ買いたいよ。案内して。」 「%%はいっ。おやすい御用で御座います。」 ・ ・ ・ 「−−ありました。カリクメモリです。」 「うむ。」 「%%何件か回ったところ、ここが安いかと思います。」 「クバスさん、いつもこの辺でメモリ買ってるの?」 「%%いえ。少し離れた問屋で購入しています。千個単位の買い付けなので、    ずっと安いのですが、ばら売りはしていないお店なので、実際に購入    する場合はこの商店が宜しいかと推測します。」 「そかそか。・・・げっちよ、どれ買う?」 「−−まだスロットは2つ空いています。現在私は64Gのメモリを1枚差し    ているので、さほど行動に支障がありません。お任せいたします。」 「うーーん。64Gを買うぐらいかー。」 「%%128Gの値段が落ちてきていますので、それをおすすめします。」 「いくら?」 「%%3000元です。」 「−−10440円です。」 「何だか高いなぁ。」 「%%ふふ、ここでは中国と同じく値切ることが売買のスタンスですよ。」 「ん?」 クバスは店のカウンターにより、上のメモリ値段表を指さす。 「%%イ尓好、能不能再便宜一点儿?」 「イ尓好!小姐!・・・是、二千六百元。」 「%%好是好、不迂有点儿貴。」 「是、是、二千四百元。」 「%%不是、不是、真遺憾、失望了。一点儿・・・。」 「是!是!、二千二百元。」 「%%・・・イ尓不喜又欠我了?」 「不是!・・・没方法。二千元!」 「%%太謝謝イ尓了!」 「%%師匠様、2000元です。」 「おお!何だいきなり3分の2になるのか!」 「−−そこまで下げられるのならば、まだ下げ値する可能性が存在します。」 「%%あまりに下げると、儲けが無くて、商売を辞めてしまいます。旨みが有    る程度必要なのです。」 「いいよいいよ。十分だ。2000元、払うよ。」 「−−ありがとう御座います。申し訳有りません。」 「ははは。今晩付けようよ。」 「−−はい。喜んで。」 みかげが喜ぶ横のクバスを見る。 嬉しそうな・・・悲しそうな。 シンプレムって、デフォでこんな良い表情が出来るのか。 いや・・・違うな。 「%%だいぶ店を回りましたね。」 「ああ。ソフト関係があんまりないね。」 「%%地階で御座います。・・・その・・・あの。」 「あと少し見てから行こう。」 「−−これは・・・!」 「何だそりゃ。」 「%%ポータブルプリンタです。感熱紙で吐き出すタイプです。」 「レシートみたいな小ささだな。・・・何処に付けるんだ??どれどれ?」 「−−上顎の裏です。」 僕は裏のパッケージを良く確認する。 「・・・ほんとだ。すげっ。ってことは・・・。」 「%%口から印字結果を吐き出すのです。」 「ガンツ先生みたいだ。」 「%%ガンツ先生様は口から紙などおはきになりません。」 「会話用に口ん中水でしめらせるやろ。ええんかなー。あ!だで感熱紙なんか。  ホントにキワモンだこりゃ。」 「−−フロッピーがドライバです。」 「げっちにつくんかなー。」 「−−つきません。」 「え?」 「−−ひすいさんが付けています。」 みかげは財布を取り出すと僕に見せた。 【みかげへ、新店舗のHPアドレスhttp://www・・・】 と印字してある。 「−−以前、調子悪いからくれると仰いましたが、あいにく上手く装着出来な    いようなのです。」 「調子の悪いもんもらうなや。」 「−−ドライバの最新がネットに有るそうなので、それで直る可能性が有った    のです。」 「そっかー。あいつんとこのオーナー、女なのにキョーレツなマニアだな。こ  んな物つけよって。」 「%%あの、あの、・・・師匠様。」 ペロペロペロペロ 「うわっ!」 「%%ほら、さほど濡れはへん。」 「−−クバスさんも持っていらっしゃったのですね。」 「印字やめやめ。ほかいこ!ほか!」 「%%はふ。ほまちになっへくらさひ!」 「歯で切れ!歯で!」 「%%ほぐぐー。」 地階。 書籍とCDが山のように積んだ店が建ち並ぶ。 「−−ああ!エロVCDです!アダルトVCDです!」 「%%・・・そうです。みかげ様はさぞ喜ばれるだろうと思います。」 「ああー。こんなもんかー。僕はちょっと幻滅・・・おおっ!日本物が山のよ  うにある!っていうか、日本でこんなの出てないよ。」 「%%日本から見ると違法コピー物ですね。ビデオをVCDに複写し、字幕を    付けて販売します。」 「−−師匠!「あなたのHMもエッチな綾波に!人類補姦計画です!」こんな    物が!これです!これしか無いでしょう!」 「同人だ同人!有名だぞ。ちょっと重いから、入れたらげっちハングするでー。」 「%%みかげ様、その前にキョ…ふぐっ。」 「言うな、クバスさん。忘れかけてたのに。」 「−−ああっ!そうです!あのキョ…ふがっ。」 「げっちも思い出すな。まぁ、ここで売っていたら考えんでも無かったが、ど  うも光華街にはなさそうだな。」 「%%ええ・・・。あれは、市内のアダルトショップに有るのです。」 「−−そんな・・・。(しゅん)」 「う・・・。まぁ、げっち、落ち込むな。じゃ、ここをうろついて、お昼にし  よう。」 台湾のお昼は町中が何かしらの匂いに包まれる。殆どの人が外で、露店で、食 事を行うためだ。裏通りをよぎるたびに何かしらの匂いだ。きっと地元の人に はいい匂いなんだろうが・・・。 「うへー。もうゴマ油の匂いは沢山だよ。」 「%%ふふふ。そう言う頃だとは思っていました。到着です。」 看板を見上げるみかげ。 「−−麥當勞?・・・マークはあの・・・。」 「おお、マクドナルドだ。」 「%%麦当労、こちらのマクドナルドです。味は一緒かと推測いたします。」 「まぃだんらぉ。言い方もちょっと違うんだ。」 「%%麦克唐納と言う場合もあります。看板は中国に合わせて、麦当労です。」 「−−師匠!これを。【可坐家庭用女僕機器人、可充電】座っても宜しいので    しょうか?充電も良いように判断できますが。」 「%%はい。マクドナルドは可能です。・・・まぁ、この辺だけですが、光華    街に近い多くの商店は着席可能です。充電機も据え付けで有りますよ。」 「おけおけ!ここいこ。げっちも入ろうよ。」 「−−はい。」 マクドナルドのカウンターには3人のHMが立ち、奥では、4人の人が働いて いる。盛況だ。僕たちも並ぶ。 「%%いいえ。ご着席下さい。メニューはHMが伺い購入しにいくのです。ほ    ら。」 確かに、列は殆どHMしか並んでいない。 僕たちはテーブルにつき、みかげは少し向こうの充電器箱からがさがさと充電 器を探している。 「ふー。あついあつい。」 「−−師匠、有りました。日本用アダプタ。これを使います。」 「いらんて。台湾は115ボルトだ。日本の家電は殆ど使えるよ。」 「−−ある以上念のため使用いたしても宜しゅう御座いますか?」 「好きにせやー。ホテルでも使わんかったくせに。」 「−−まぁ、探して存在しなかったので、渋々そのまま充電したのです。」 「はいなはいな。」 「%%お待たせしました。・・・あら?みかげ様アダプタは無くても充電可能    ですよ。」 「−−念のための処置で御座います。生理前でもコンドームを着用するのといっ    …しゃう!」 (ぺち) 「もっと良い凡例持ってないんかい!」 「%%ふふふ。いざ生でやってもなかなかはらまない場合もありますわ。」 「・・・。」 みかげを見る。みかげ、光華街で買ったばかりの眼鏡を拭き大きく頷く。 やってやりなさいと言わんばかりだ。 (ぴち) 「%%…あうっ!」 「クバスさんも、つっこんでおくよ。」 「%%ああ、ありがたき幸せ。」 「駄目だ。逆効果だ。」 「−−マゾ系なのですね…あうっ!」 (ぴち) マクドナルドは同じ味だった。台湾独自かしら変なバーガーもあったが、昨日 から同じようなゴマ油の味付けでいい加減うんざりしていたので、頼まなかっ た。 ナゲットには酢豚味のようなソースが付いていた。台湾はこの味しかないのか。 当然付けずに食べた。 「はー、くったくった。美味かった。」 「%%午後は有名な所を観光いたしましょう。」 「ああ、頼むよ。後でタクシー拾おう。」 少し休憩がてら、コーラをお代わりして、荷物の整理をする。 横にいるHM2人は訳の分からない会話をしていた。 「−−そうですか。」 「%%デジカメ・デジDVDカメラ・HMSのメモリはやはり産業上、日本の    方が安いのです。」 「−−そうなのですか。」 「%%台湾の購入で最大に価格が変わるのはメインフレームとステーションで    しょう。俗にケース類は一度の船荷で積める量が少ないのです。台湾で    買うと言うなれば「激安」です。」 「−−ボディは師匠が一番気に入ってくださる部分ですから、激安でも購入し    ない可能性が高う御座います。」 「%%そう・・・ですか。そうですね。」 「−−メモリの買い付けは間に合うのでしょうか?」 「%%私は明日買い付けを行うので、十分暇ですよ。」 「−−こちらの人はマニアさんは少ないのですか?」 「%%いいえ。日本と変わりませんよ。マニア文化的には漫画・アニメは殆ど    日本から貰う文化です。HM文化は少しだけ台湾が先でしょうね。」 「−−彼らを何と言うのですか?」 「%%・・・質問の意味が広いのですが、察するに「発焼友」です。」 「−−ふぁしゃおよー。」 「%%はい。師匠様は発焼友家庭用女僕機器人、みかげ様は発焼友色情でしょ    う。」 「−−まぁ、クバスさん。」 「%%ふふふ。」 「−−それを言うならば発焼友局部で御座います。」 「%%ふふ、そうですね。」 「おーい。げっち何買ったんよ。」 「−−あ、はい。2本のVCDと、HM用ソフト1本です。」 「サンライズOP集・・・って、うらみたら、タツノコもはいっとるで。はは  は。こりゃ、良く探したよ。もう1本はエロVCDか。まぁ、見逃してやろ  う。」 「%%はっ!みかげ様このソフトは・・・(わなわな)」 「−−はい。迷いましたが、購入いたしました。」 「なんだなんだ?「バーチャルビリヤード」普通やんか。HMエミュレートで  端末にビリヤード台が出るやつやろ。」 「−−はい。キューで9玉を落とす古典的なゲームです。」 「%%いえ、師匠様裏を・・・。」 「−−師匠もお喜びになられるかと・・・。」 「げっ!キューって・・・。」 「%%はい。そして突く場所は・・・。」 (ばこ) 「−−あうっ!・・・ああ、箱が傷んでしまいます。ピーコして日本で売れな    くなって…あうっ!」 (ぽこ) 「恥ずかしくて売れるかい!」 ちなみに3500元、特殊マウス付き。 一番高い買い物だった。 ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎fin